あなたの職場は?看護師の仕事に大きな影響を与える「病床規模」

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施設数・ベッド数の推移

施設数・ベッド数の推移

施設数やベッド数の推移についてまとめています。厚生労働省が行った医療施設動態調査の内容を基に見ていきましょう。

病院の数

2020年6月末の時点で全国の医療施設は17万9,303施設という結果が出ました。病院は8,255病院で、そのうち一般病院が7,201病院、精神科病院が1,054病院です。一般病院のうち療養病床を有する病院は3,597病院、地域支援病院は624病院でした。療養病床を有する病院が減少傾向にありますが、これは介護・医療・住まいの3機能を併せ持つ「介護医療院」への転換が進んでいるためです。しかし、介護医療医院の介護報酬上の加算である移行定着支援加算の満額算定期限が過ぎているため、転換のペースは想定よりも遅くなっています。
なお、新型コロナウイルス感染症による医療機関の経営への影響が懸念されていましたが、病院や診療所の倒産が特別増えたという傾向は見受けられませんでした。ただし、経営悪化の度合いが深刻化している施設は増加傾向にあるため、今後影響が出てくる可能性もあります。

病床を有するクリニックの数

診療所、いわゆるクリニックは全国で10万2,776クリニックあり、病床を有するクリニックは減少傾向にある一方で無床のクリニックは増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症による影響は今の時点では明確になっていません。病床を有するクリニックの減少傾向は年々強まっています。実際、入院設備のあるクリニックを見たことがない人も多いでしょう。直近1年間のペースでは、1ヵ月あたり21クリニックが減少している計算になります。このペースが続いた場合、2022年4月末の時点で病床を有するクリニックの数は6,000以下にまで減少します。

ベッド数で見た場合

ベッド数に着目した場合、全体では160万1,601床の病床が確保されています。ベッド数は近年大幅に減少しており、療養病床の減少が大きな要因として考えられます。全体のうち151万3,605床が病院の病床で、一般病床が88万8,041床、精神病床が32万5,140床、療養病床が29万4,354床となっています。
クリニックは8万7,938床で、1年間で3,560床減少しています。病床を有するクリニックは地域包括ケアシステムの重要な構成要素であるため、このまま減少傾向が続くと地域医療の提供体制が脆弱化してしまう恐れがあります。そこで国は2018年の診療報酬改定で病床を有するクリニックを「専門特化型」と「地域包括ケア型」の2種類に分け、地域包括ケア型の経営が困難であることに着目し、要介護者の受け入れを介護連携加算で評価するなどの報酬見直しを実施しました。ただし、後継者不足などの理由で閉院するクリニックもあるため、それらの施設に対しては効果が見込めないといった課題も残っています。

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