大規模病院で働くメリット・デメリットを見ていきましょう。設備が整っており多くのことを学べる一方で、大規模ゆえのデメリットもあります。
大規模病院は教育制度が充実しています。入職者全体だけでなく各部署のオリエンテーション、病院の機能やシステム、看護体制などの説明がしっかりしており、看護師として成長できるようサポートシステムも手厚いです。大規模病院のほとんどは先輩看護師がマンツーマンで指導してくれる「プリセプター制度」を導入しています。一緒に仕事をしながら、業務に必要なスキルを学べる制度です。病棟勤務であれば受け持ち患者についても細かく教えてもらえます。
また、看護技術表を基に評価をするので、自分に不足しているスキルを確認し、目標を達成していくための仕組みが整っています。看護技術表は自分だけでなくプリセプターや看護師長、他の先輩看護師も確認できるようになっているため、自分が見落としているスキルがあっても周囲から声をかけてもらえます。看護協会が推奨しているクリニカルラダーを導入している職場なら、不足しているスキルを客観的に判断した上で、目標を設定し達成するために必要な知識を明確にすることができます。看護師は忙しいので、日々の仕事に追われて手一杯になってしまうこともあります。しかし、必要なスキルと達成すべき目標が明確になっていれば、常に学ぶ姿勢を持ちながら働き続けられます。
認定看護師や専門看護師による勉強会が定期的に開催されている点も魅力です。外部の製薬会社による新薬や日常的に用いる薬についての講習会なども開催されており、実践的な知識と技術を習得できます。
特定機能病院の認定を受けている病院であれば通常では経験できない診療に立ちあえるため、先進医療を学びたい看護師にとって大きなメリットとなります。病棟は患者の状態によって分かれていますが、部署によっては世界でも取り組み例が少ない治療に携わることも可能です。
大規模病院のデメリットとして挙げられるのが、他職種とのコミュニケーションが少ない点です。大規模病院には多くのスタッフが在籍しており、細かく役割分担しながら業務を進めていきます。患者の情報を電子カルテ上で共有することはありますが、直接コミュニケーションを取る機会は少ないです。看護師は患者にとって最も近い存在です。そのため、画面上の情報だけでは伝えきれない部分もあります。直接話せれば一緒に解決法を考えて患者に寄り添ったケアを提供できますが、その機会が少ないためストレスを感じるかもしれません。
まずは基礎知識として病院の分類について学びましょう。病床規模が小さい医療機関は病院ではなく診療所に分類されます。また、対象となる患者によって病床の種類が異なり、それに応じて仕事内容も変わってきます。
大規模病院で働くメリットはスキルアップしやすい環境が整っている点です。看護師として高いレベルの知識や技術を身につけたい人におすすめです。ただし、他職種とのコミュニケーションが少ないといったデメリットもあります。
まずは自分が転職する理由を明確にしてください。転職理由がはっきりしていれば、求人を探す際の判断基準となる希望条件が自ずと見えてきます。自分に合った方法で求人を探し、書類作成や面接対策を進めていきましょう。