まずは医療機関の細かい分類や区分について知りましょう。病院と診療所では病床規模や医療体制が大きく異なります。また、病院の規模も様々です。先進医療に携わることのできる大病院で働きたいのであれば、病床規模に注目しましょう。病院であっても200床未満なのであれば、専門病院でない限り地域医療を担う病院である可能性が高いです。施設数・ベッド数は年々減少傾向にあります。これは高齢者の数が増えていることが影響しています。
病院と診療所は病床規模によって区分されます。病院は20名以上の患者を入院させるための病床を有しているのに対し、診療所は入院のための病床を有しない、または19名以下の入院を可能とする施設です。病院は「一般病院」「特定機能病院」「地域医療支援病院」「臨床研究中核病院」「精神科病院」「結核病院」の6種類に分類されます。また、病床は「精神病床」「感染症病床」「療養病床」「結核病床」「一般病床」の5種類に分類されます。
規模の大きい病院のことをよく「大病院」と呼びますよね。病床規模による区分の目安となるのは、「一般病床の数が200床未満かどうか」です。200床未満の病院は診療所に近い役割を担います。診療報酬改定により、大病院の基準は500床以上から400床以上へと引き下げられました。そのため、大病院は400床以上の病床を有する病院と定義づけることができますが、日本には診療所の役割を兼ねた小規模病院の割合が多く、国内にある病院全体の1割にも満たない状況です。
近年、療養病床を有する病院は減少傾向にあります。これは社会の高齢化が進み、介護・医療・住まいの3機能を併せ持つ「介護医療院」への転換が進んでいるためです。病床を有するクリニックも減少している一方で、無床のクリニックは増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症の影響も考えられますが現時点では明確になっていません。ベッド数も大幅に減少しており、このままでは地域医療の提供体制が脆弱化する恐れがあるため、国は対策を推し進めています。
まずは基礎知識として病院の分類について学びましょう。病床規模が小さい医療機関は病院ではなく診療所に分類されます。また、対象となる患者によって病床の種類が異なり、それに応じて仕事内容も変わってきます。
大規模病院で働くメリットはスキルアップしやすい環境が整っている点です。看護師として高いレベルの知識や技術を身につけたい人におすすめです。ただし、他職種とのコミュニケーションが少ないといったデメリットもあります。
まずは自分が転職する理由を明確にしてください。転職理由がはっきりしていれば、求人を探す際の判断基準となる希望条件が自ずと見えてきます。自分に合った方法で求人を探し、書類作成や面接対策を進めていきましょう。