病院の規模による区別について紹介します。いわゆる「大病院」と呼ばれる病院はどの程度の規模を指すのでしょうか。
手術を受ける際に、大病院での手術を希望する患者は少なくありません。しかし、具体的にどの程度の規模からが大病院と呼べるのか、明確に答えられる人は少ないでしょう。実のところ、病院の大小に関する規定は定められていません。医療法ではあくまで病床数が20床以上なら病院、19床以下なら診療所と定められているだけです。しかし、法律上は同じ病院だとしても、数十床規模の病院と何百床規模の病院では医療体制が大きく異なります。そこで注目すべきなのが保険診療の金額を決める診療報酬の内容です。2018年に行われた診療報酬改定の内容を基に、大病院の定義を見ていきましょう。
病床規模による区別の目安となるのが、「一般病床の数が200床未満かどうか」です。200床未満の病院の再診料は診療所と同じであるのに対し、200床以上の病院の再診には再診料が適用されず、外来診療科の名目で計算されます。その他にも再診時に上乗せされる外来管理加算や初診料の機能強化加算など、200床未満の病院では診療所と同様に徴収できる加算が多くなります。これは200床未満の病院にはかかりつけ医が在籍し、診療所に近い役割を担うことを示しています。
2016年に行われた診療報酬改定では、紹介状なしで大病院を受診した場合は初診時に5,000円以上、再診時に2,500円以上の上乗せが義務づけられる制度が導入されました。2018年の改定では、これに加えて大病院の基準を病床500床以上から400床以上へと引き下げられることになりました。より詳細に述べると、「特定機能病院と一般病床が500床以上の地域医療支援病院」から、「特定機能病院と許可病床が400床以上の地域医療支援病院」へと変更されています。特定機能病院とはいわゆる大学病院の本院や国立がん研究センターなどの病院で、国内には85病院あります。また、200床以上の地域支援病院は約540病院あり、上乗せが義務づけられる対象は約410病院となります。
上記の通り大病院の基準は引き下げられましたが、それでも病院全体の1割にも満たない数です。効率的な医療の提供を実現するためには役割分担を明確にする必要がありますが、元々日本には診療所の役割を兼ねた小規模病院が多く、診療所との線引きが曖昧になっている部分があります。患者にとっても病院の区分は重要なポイントなので、より差別化を図るための制度改定はこれからも進められていくことが予想されます。
まずは基礎知識として病院の分類について学びましょう。病床規模が小さい医療機関は病院ではなく診療所に分類されます。また、対象となる患者によって病床の種類が異なり、それに応じて仕事内容も変わってきます。
大規模病院で働くメリットはスキルアップしやすい環境が整っている点です。看護師として高いレベルの知識や技術を身につけたい人におすすめです。ただし、他職種とのコミュニケーションが少ないといったデメリットもあります。
まずは自分が転職する理由を明確にしてください。転職理由がはっきりしていれば、求人を探す際の判断基準となる希望条件が自ずと見えてきます。自分に合った方法で求人を探し、書類作成や面接対策を進めていきましょう。